「壊れないメガネってありませんか?」 にお答えします。
壊れないメガネってないの?
進化を続けるメガネ
だけど…
「壊れないメガネってないの?」
昔も今もいただく質問・ご要望で、そう言いたくなる気持ち、よく分かります。
だから「はい、あります!」と答えられたらいいのですが、「残念ながら…」というのが実際のところ。
メガネが生まれたのは13世紀のこと。つまり700年ほど前のこと。
長い年月の中で、レンズもフレームも着実に進化を遂げています。それでも壊れないメガネは未だに存在しないんです。
そのあたりの事情を、メガネフレームのことを熟知している元メーカー営業担当は、次のように言います。
壊れないメガネを作るのは
理論的には可能らしい
壊れないぐらい頑丈なメガネを作るのは、理論的には可能です。作れるけど作らないと言っていいと思います。
別にメーカーが出し惜しみしてるわけじゃありません。じゃあ、どんな理由なのかと言いますと…。
メガネが壊れたり、その一歩手前、歪んだりするのは、大抵の場合、外から力が加わるせいです。
ボールが当たる、抱き抱えたお子さんの手が当たる、踏んづける…どのケースでも
外から力が加わっているのがお分かりになりますね?
こうした力が加わった時に、メガネフレームはまず、その力=エネルギーを吸収しようとします。
そして吸収しきれなかった時に歪んだり壊れたりするんです。
壊れないメガネを
あえて作らないのには
理由がある
では、壊れないぐらい頑丈なメガネの場合はどうなるでしょう?
外から加わる力にはびくともしません。その代わり、加わった力をすんなりと「その先」へと伝えてしまいます。
ここで言う「その先」とは、つまりメガネを掛けている人のお顔です。
外部からの力が吸収分散されることなくお顔に伝わってしまう。
しかも頑丈すぎるフレームが、お顔に伝わるダメージを倍増させる可能性すらあるんです。
そうした事態を防ぐため、理論上可能であっても、頑丈すぎるメガネは作らない。
メガネが壊れることで、外部の強い衝撃からお顔を守っているわけです。
壊れることで安全を確保する発想
クルマとメガネの
安全思想
以前にもこのブログでご紹介したことがありますが、
この考え方は、自動車の設計・構造に似ているかもしれません。
自動車は衝突時のことを考えて作られています。
ご存知かと思いますが、「ぶつかっても凹まないように」ではなく
「万が一ぶつかってもできる限り安全なように」が基本的な考え方。
ボディ前部=ボンネットのあたりは「クラッシャブルゾーン」と言って、
衝突時にあえてつぶれるように作られています。
この部分で衝撃を吸収して、乗員に伝わる衝撃を緩和しているわけです。
お子さまのメガネや、小さなお子さまがいらっしゃる親御さんのメガネは、
どうしても歪んだり壊れたりすることが多くなりがち。
だから繰り返しになりますが、冒頭の「壊れないメガネってないの?」とお思いになる気持ち、よく分かります。
でも、できることなら「メガネが壊れることで守ってくれた」と前向きに考えていただきたいのです。
「壊れた=買い替え」とは限らない
諦める前に
ぜひご相談を!
最後にひとつ注意点なのですが「どうせまた壊れるから」と、
壊れたメガネをそのまま使い続けることは、どうぞお避けください。
目のために掛けているはずのメガネが、逆に目のためにならないケースも出てきます。
ちなみに「壊れた=買い替え」とは限りません。
メガネフレームは、手直しや修理、パーツ交換で復元できることも案外多いんです。
だから…。
壊れたメガネを諦める前に、ご購入店または岐阜県メガネ組合加盟店にご相談ください。
どうぞお気軽に!